イベント・行事のご案内
●日本高専学会 年会第1セッション
新しい飛躍をめざして−私たちの高専改革−:8月24日14:15〜17:15
- オ−ガナイザ 大分高専 梅津清二
- (冒頭提案)日本における高等教育機関の設置形態変更として「独立行政法人化」が提起され,大学・高専を含めて騒然とした状況が作り出されている。日本の教育や研究に責任を持つ関係者であればこそ,「なぜ今,独立行政法人化なのか」,「独立行政法人とは何か」など根底的な分析が冷静に行われなくてはならない。「独立行政法人化」という大学・高専を風靡している思想を解明し,未来へ向かっての高専のありようについて考察する。
- 「独立行政法人化」と高専(木更津高専 久松俊一)
- (要旨)5月26日の文部大臣の表明により,国立大学の独立行政法人化が決定的となった。こうした波は早晩高専にも押し寄せるものと考えられる。日本の高等教育とりわけ高専の将来にとって法人化問題がどのような意味を持つかを考察する。
- 短期高等職業教育制度の日欧比較(宇部高専 山下祐志)
- (要旨)諸外国の短期高等職業教育制度と我が国の高専制度を対比させることによって,我が国に特異な事情と国際的な共通事項を明らかにし,高専改革の方向性を探りたいと思う。
- 高専は日本における代表的技術者教育機関となり得るか
−高専における日本技術者教育認定機構(JABEE)の受容問題−(徳山高専 大成博文)- (要旨)大学を含めて高等教育機関の在り方が鋭く問われている。日本技術者教育認定機構,通称「JABEE」の対応問題もそのひとつである。この機構が設立された目的は,国際的に通用する技術者教育を実現するために,その教育の成果に関する認定をまじめに行うことにある。高専もまた,日本の技術者教育を発展させるために日夜努力をしてきた機関であり,その目指すところにおいて共通項は多々存在している。そこで,高専におけるJABEE受容問題を考察し,その視点から,高専は日本を代表する技術者教育機関とな得るかについても検討を行う。また,代表的機関となるための条件と課題についても考察を深める。
- 都立航空高専の地域交流(都立航空高専 吉田喜一)
- (要旨)地域企業,行政,教育組織との技術・教育に関する最近の交流を紹介する。
- 高専学事始め(宇部高専 深川勝之)
- (要旨)高専が名実共に日本を代表する技術教育機関に発展する条件を探る。そのために今何をしなければならないかを総合的にまとめ上げて行くことを提案する。すなわち高専学として体系化を試みる。
第2セッション
人間教育と技術教育:8月25日9:00〜12:00
- オーガナイザ 木更津高専 久松俊一
- 環境ディジタル紙芝居による工学感性の実践的教育(熊野高専 井田民男)
- (要旨)高等専門学校における工学教育の量,質共に時代への対応が迫られている。本報告では,感性を教育するテーマとして,学生が教授できる幼児を対象とし,環境工学に関わるリサイクル・ラベリングについてコンピュータを活用したディジタル紙芝居の制作を行い体験型の教育指導を行った。
- 高専技術教育の充実ー技能講習指定教育機関の認定(神戸市立高専 森本義則,吉本隆光,斎藤茂)
- (要旨)神戸高専は兵庫労働基準局よりガス溶接技能講習指定教育機関に指定された。指定されるまでの経緯,何故この教育が必要なのか,今後の計画を述べると共に第1回,第2回講習会の実施報告で,学生の反応,意識改革を報告する。
- 60dGアンプの設計指導をとおして(大阪府立高専 萩原保一)
- (要旨)アナログ系の電子回路の授業を担当しているが,講義と実験を統一する意味で,前期に増幅器の設計,増幅率の計算法および周波数特性の講義を行い,後期の実験時間(4時間×5週)を用いて,アンプの設計製作,測定を行っている。この実験を通して気の付いた事柄を報告する。
- 表計算ソフトエクセルを活用したカオスとフラクタルの実践(大阪府立高専 臼田昭司)
- (要旨)誰でも持っている表計算ソフトエクセルを活用して,理工系の学生に興味を引く題材,特に”カオスとフラクタル”について実践方法を提案する。実践を通して再帰計算の仕組みカオスやフラクタルについて理解を深める。これらを教育現場の立場から提案するものである。
- 表計算ソフトを用いた偏微分方程式の簡易解法とその事例(山口大学農学部 深田三夫)
- (要旨)土と水を扱う土木工学の分野では偏微分方程式の重要性をうたいながら問題を一次元問題として扱うことはまれで,かつ簡単な境界条件のもとで解析解を求めることすら出来ないことは殆どである。この講演では通常の教育現場で用いている表計算ソフトを用いて偏微分方程式の解を求める方法と2,3の事例を紹介する。
- 進級できない学生について(有明高専 氷室昭三)
- (要旨)これまで有明高専学生の実態について報告してきた。特に最近の大きな問題は進級できない学生が増加してきていることである。今回,この現象について分析した結果を述べる。
- シンガポールへの研修旅行(有明高専 川瀬良一)
- 地域の青少年に対する理科学習支援(誌上発表)(木更津高専 田村和士)
- 第2セッションの企画意図について オーガナイザーから 10分
- 発表は,各テーマとも,質問時間を含めて,各15分
- 発表は,テーマの種類に従い,2部に分けて行う.
前半は,1〜5までで構成し,討論時間を35分程度にし,後半は,6,7で構成し,討論時間を30分程度にしたい.特に前半の「技術教育の実践事例」については,少々司会者の手に余るところがありますが,萩原先生の助力をお願いしたいと思っています.
第3セッション
青年たちは今−高専の内と外−:8月25日14:45〜17:45
- オーガナイザ 宇部高専 山下祐志
- 中学校から見た高専(厚南中学 松浦正彦)
- (要旨)徳山,長門,宇部の三市で中学校の教員をしてきた。これら三市には高専に対する温度差がある。中学校の進路指導の実態を踏まえてこうした点に触れてみたい。
- 在校生から見た高専(宇部高専5年 富田裕二)
- (要旨)前学生会長としてそして就職・進学に直面した5年生の立場から高専生の実態と高専の置かれた状況について考えてみたい。
- 地域住民から見た高専(山口大学医学部保育所 保育士 藤田真澄)
- (要旨)福岡県に生まれ1972年に結婚して阿知須の住民になった。兄が高専の先生で高専とは全く無関係ではないが,一人の主婦として市民としての立場から高専問題を考えてみたい。
- 同僚から見た高専卒業生(宇部高専 和泉茂一)
- (要旨)高校,技科大学,企業,高専というコースを歩いてきた。そこで主として技科大の学生時代と企業での経験から見た高専卒業生の印象を述べたい。
- 外部評価委員から見た高専(ティー・ユーエレクトロニクス 品川博)
- (要旨)高専の一期生,同窓会長,外部評価委員,非常勤講師など様々な顔を持ちながら高専と関わってきた。これらを通して感じたことあるいは課題などを述べたい。
第4セッション
地域協力と高専:8月26日8:30〜12:30
- オーガナイザ 徳山高専 大成博文
- 総括報告 地域協力の発展法則 大成博文 10分 討議なし 8:30〜8:40
- TVリモコン用・福祉自助具の工学的考察(熊野高専 井田民男)8:40〜9:10 発表20分 討議10分
- (要旨)福祉自助具を工学的な観点から製作する必要性が時代の変遷・背景とともに導入できる状況になってきている。ここでは,人間工学,エコ・デザイン的な観点から福祉工学の発展を展望し,福祉現場最前線に即した自助具製作を種々の角度から検討した。
- 有明高専の地域協力(有明高専 川瀬良一)9:10〜9:40 発表20分 討議10分
- (要旨)有明高専では地域協力および産官学協力のための1997年に学内組織として地域連携推進センターが発足した。ここを窓口として学外からの技術相談や技術研修を実施してきた。さらに1999年には交流組織として有明広域技術振興会が発足した。このような現状と今後の地域協力について発表する。
- 高専における産業界との交流に関する調査研究(宇部高専 村上定瞭)9:40〜10:10 発表20分 討議10分
- (要旨)高専における産業界との交流における現状と今後の課題について,学内,全国高専,県内企業へのアンケート調査を行った。この結果を解析した。
- 今後の産学協同のあり方(広島和光(株) 大島時生)10:10〜10:40 発表20分 討議10分
- (要旨)大企業の技術者,企業の立ち上げ,中小企業の技術顧問,高専の非常勤講師などを経験してきた。中小企業育成の課題に関心を持っている。そういう中での高専の果たすべき役割を提案する。
休 憩 10:40〜11:00
- 総合討論
上記の発表を踏まえ,以下の課題について討論する 11:00〜12:30- 新時代における産業連携・地域連携について
- HNK(ヒューマンネットワーク高専)の紹介
- HNKと高専学会の連携のあり方について
- HNK側と高専学会側の発表者を用意
- HNK側・・・代表者3名(交渉中)
高専学会・・・宇部高専 深川勝之,大阪府立高専 萩原保一